最高裁判所第二小法廷 昭和26(あ)117 決定
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人鈴木信雄、同平井広吉の上告趣意及び弁護人鈴木信雄、同室伏礼二の上告
趣意について、
被告人は昭和二五年三月一六日原審で控訴棄却の判決を受け、これに対し原審弁
護人古川豊吉から適法な上告申立をなし事件は上告審たる当裁判所に係属するに至
り、従つて本件第一審判決は未だ確定していないことは所論のとおりである。故に
もし未確定の右第一審判決の刑の執行として、被告人が所論のように昭和二五年四
月二八日から昭和二六年五月二六日までの間刑務所に収監され服役させられたとす
れば右刑の執行指揮が違法不当のものであることは論をまたない。しかし所論によ
れば右は検察官の過誤に基くものであつて、原判決には何等の法令違反もなく又原
判決は、この点に関し憲法適否の判断はしていないのである。所論は原判決言渡後
に生じた右検察官の過誤による執行指揮を理由として種々憲法違反であると主張す
るけれども、これがため原判決の違法を来たす理由もなく右執行指揮は本件上告の
審判の対象とはなり得ないものであるから、当裁判所はこれに関し憲法適否の判断
を示すに由ないものである。したがつて所論は結局刑訴四〇五条に規定する理由に
あたらないこと明白であるのみならず同四一一条に規定する事由にもあたらない。
よつて、刑訴四一四条、三八六条一項三号により主文の如く決定する。
この決定は裁判官全員一致の意見である。
昭和二六年一〇月三一日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 栗 山 茂
裁判官 小 谷 勝 重
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裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 谷 村 唯 一 郎
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